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2007年07月 アーカイブ
2007年07月31日

浄化と調律

135.jpg雷雨の後の落ち着いた火曜日の午前。まるで晩夏か初秋のような匂いを漂わせる心地よい涼しさと妙な寂寞感が一体となったような空気の中で「魂を調律」させてくれる音楽をBGMに思索に耽るのはとても幸せな行為である。
昨日渋谷の松涛スタジオで知人と会った帰りがけ、ふとタワー・レコードに寄った。6階のクラシック・フロアをぶらりと一回り。偶然スピーカーから流れている音楽がなぜか気になった。

ビーバー:「ロザリオのソナタ」
ヴァルター・レイター(ヴァイオリン)
アンサンブル・コルダリア
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2581135

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2007年07月30日

ユニークな貴方

51isAYGWODL._AA240_.jpg.jpg自民党が参院選において歴史的惨敗を喫した。予想通りの展開だが、安倍総理は潔く退陣すべきだと僕も思う。そもそも自分は「安倍晋三」であり、「小泉純一郎」でもなければ他の誰でもないということに彼は気づいているのだろうか。十人十色とはよく言ったもので、人間誰しもそれぞれの役目と「色」を持っている。ところが、人間というもの社会にもまれ組織にもまれ人は洗脳を受け、自分であることを捨て去り、自分自身というものを見失ってしまう。特に、前任者が強烈な印象を与えれば与えるほど、その後を受け継いだ人はある意味大変な苦労をする。

クラシック音楽の世界でいえば、常に新しいことに挑戦しそしてその挑戦がことごとく成功した革命者としてベートーヴェンという存在がある。ベートーヴェンがあまりに偉大であったがゆえに後年の作曲家たちはその影を払拭するのに随分苦労したようだ。代表格がブラームス。何と交響曲を書くのに構想から20年近くを要しているのである。あまりに優れた9曲のベートーヴェン作品を目の前に自らが挑戦状を叩きつけることに臆して何年何ヶ月。しかし、ひとたび第1交響曲が完成して以降のブラームスはみるみるわが世界を築き上げ、晩年の作品ともなればブラームス以外の何者でもない境地に達しているから立派なものである。優れた先輩を参考にして追いかけるということはとても重要なことである。しかし、真似をしたままその先輩になろうとするのは大きな間違いで、本当の自分のあり方を探り最終的には自他共に認める「独自の世界」を創り上げなければどんな世界でも通用しないということである。

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2007年07月29日

神宿る音楽

334.jpgマーラーの音楽はとても「人間的」である。どの楽曲も「死」の恐怖との闘いがモチーフになっている。あまりに人間臭いゆえ、若い頃はのめり込んで聴くことも多々あったが、最近は食傷気味で滅多にCDトレーに乗っけることはなくなってしまった。
一方、マーラーの師匠で音楽史上では同じ部類で括られてしまう作曲家にアントン・ブルックナーがいる。尤も、似ている部分といえば長大な交響曲を一生懸けて書いたということぐらいで、その内容といえば全く別格の域にあり、芸術的には圧倒的にブルックナーに軍配が上がると僕は確信している。

ブルックナー指揮者といわれる存在は古今東西多数いるが、日本人としてこの時代に生まれ育ったという意味で幸せなのは、朝比奈隆という最高のブルックナー指揮者と同時代を過ごせたということに尽きるかもしれない。2001年の年末に惜しくも亡くなってしまった朝比奈だが、晩年の生演奏は何十回聴いたことだろうか・・・。

印象に残る演奏は数多いが、中で忘れられないのはやはり最後の東京公演であろうか。曲目はブルックナーの交響曲第8番。年を重ねるたび一般的な指揮者の例とは相反してテンポが速くなっていったことが特長である。

ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(ハース版)〈2001.7.23&25〉
朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団
amazonで購入!

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2007年07月28日

憧憬

41FpxrHXovL._AA240_jpg.jpgルキノ・ヴィスコンティ監督の「ヴェニスに死す」はトーマス・マンの同名小説を原作とした傑作映画である。もう30年近く前になるが、初めて劇場で観たときは鳥肌が立つほど感動したものである。僕自身は決してゲイ、ホモではないのだが「人間が人間に憧れる」、それも、たとえ同性だとしても「心の底から震えるほど人を好き」になるということはあっていいことだと思う。
そして、何よりも僕の心を捉えたのはヴィスコンティの音楽の使い方。エッシェンバッハ博士がタッジオ少年を陰から見つめるたびに湧き起こる「愛」とも「恋」ともつかない感情を見事に表現し、その映像にかぶさるように流れる音楽。それが、グスタフ・マーラーのアダージェットだったのである。

マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
amazonで購入!

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2007年07月27日

悠々

116.jpg明日はキャリア・カウンセラーの資格試験日。試験の直前というものはジタバタしても始まらない。悠々と構えて本番に臨めばいいのである。とはいうものの、馬鹿にならない受験料や今後のことを考えると一発合格をしなきゃという思いが強くなり、ついついテキストを何度も繰りながら焦りばかりが大きくなっていくのを感じる。

音楽の世界でも評価されるとなると途端に自分の実力を発揮できない人々がいる。あるいは、コンクールで「とにかく入賞を」という意識からあまりに「優等生的」な演奏を披露するピアニストもいれば、あくまで自分の世界を貫き、とても個性的な演奏を繰り広げる芸術家もいる。精神力、つまり根の図太さによってかなりの部分が左右されてしまうのである。

ポゴレリッチのリサイタルを視聴する。
イーヴォ・ポゴレリッチ:リサイタル(DVD)
amazonで購入!

1980年のショパン国際コンクールにおいて、審査員の一人であるアルゲリッチが彼の合否を巡りボイコットした話はあまりにも有名。結局は予選落ちし、特別賞なるものを受けたポゴレリッチだが、その後の飛ぶ鳥を落とす如くの勢いの活躍は周知の通り。
僕も3度ほど来日公演を聴いているが、ある意味「奇妙奇天烈」といってもいいほど特異な解釈の演奏。とても普段CDなどで聴いて慣れ親しんだ楽曲とは思えないほどどの曲も彼の手にかかれば全く別の知らない曲に料理されてしまうのでびっくりする。だから、逆に、どんな演奏をしてくれるのかが楽しみでコンサートに通ったりもするのだが。

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2007年07月26日

温故知新

07102810.jpg今までウィーンという街を訪れたのは何回あっただろうか?4回?5回?いずれにせよ、最後に訪問したのは1997年の夏。その年は、ザルツブルク音楽祭にも出掛け、プラハやブダペストを周遊し、とても楽しい夏休みを過ごしたことを思い出す。
ところで、僕が知っているウィーンの街は夏真っ盛りの時期ばかり。ゆえに、7月も後半になるとなぜかウィーンの記憶が蘇り、ウィーンにまつわる曲を聴きたくなる。

20世紀の前半を代表する指揮者であるブルーノ・ワルター。ナチスの台頭後ユダヤ人である彼はアメリカに亡命を余儀なくされたのだが、戦前はウィーン・フィルと良好な関係を築いており、残されている当時の音源はクラシック音楽愛好家にとって喉の渇きを癒す「粋な」音盤として名高い。様々なレーベルからSP復刻版が出ているが、このあたりはそれぞれのプロデューサーの趣味や復刻するSP盤自体の状態という問題が絡むので善し悪しの判断は僕には難しい。

数年前「クラシック・プレス」という雑誌があったのだが、その雑誌の12号に付録として「ブルーノ・ワルター」に捧げるというCDがついていた。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」やマーラーの「アダージェット」は有名な録音なのだが、これまでCD化されていないワーグナーの「ファウスト」序曲(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)やシューマンの「マンフレッド」序曲(ベルリン国立歌劇場管弦楽団)が収録されていることが特長だ。とても70年も前の録音とは思えない、今の時代に聴いてもとても感動的で瑞々しい音が鳴り響く。

ブルーノ・ワルターに捧げる
クラシック・プレス2002年秋号付録CD

※amazonで在庫はあるようなので興味ある方はお早めに↓
amazonで購入

2007年07月25日

匂い、音

519oJsqFyIL._AA240_jpg.jpg「匂い」や「音」というのはとても不思議なもので、過去の様々な体験を瞬時に思い出させてくれる。新宿という都心に住んでいても場所によっては懐かしい「虫の音」が聞こえてくる。25年近く東京に住んでいて、長い間聞いていなかった「虫の鳴き声」。昨晩、開け放った窓外から突如虫の音が聞こえたとき子供の頃の田舎の生活をふと思い出した。

音楽の原体験も同じようなものなのだろう。クラシック音楽を聴き始めて間もない頃、つまりまだまだ右も左も知らなかった時分、FM放送が専らの音源であった当時いわゆるエアチェックに日々勤しみ、来る日も来る日も音楽漬けの毎日を過ごしていた。
その頃初めて聴いた音の記憶はその楽曲に対する模範演奏にどうしてもなってしまいがちで、世に名盤といわれる音盤が数多ある中、自分の記憶に合致する演奏をついつい追ってしまうのはいたしかたないことなのかもしれない。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595
アリシア・デ・ラローチャ(ピアノ)
サー・ゲオルグ・ショルティ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

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2007年07月24日

気持ちイイ!

若い頃、クラシック音楽を高尚な別格の音楽だと勘違いし、その他のジャンルを否定していた時期があった。18歳の頃ビートルズに出逢いロックの世界に目覚めた後も邦楽に関してだけは偏見の目で見ていた時期が長かった。山下達郎にかぶれ必死でその「良さ」をアピールしている友人を馬鹿にしながら、僕は相変わらずフルトヴェングラーがどうの、バックハウスがどうのとのたまわっていた。
自分自身の音楽に対する「器」が広がったのはもう少し後のこと。仕事をするようになっていつしか達郎の音楽世界に感化され、気がつくと彼の音源を追っかけている自分がいることに気づくのに時間はかからなかった。

そろそろ梅雨明けの季節。そして真夏の到来。夏といえば山下達郎である。僕にとって達郎デビューは「メロディーズ」(1983年)というアルバムであった。今でこそクリスマスの定番ソングになっている「クリスマス・イブ」を含む全10曲の傑作アルバムである。このアルバムである意味一気にメジャーにのしあがっていくのだが、25年近くを経た今聴いてもとても新鮮。最近は何年も新作を発表しない彼だが、この頃はまだまだ少なくとも2年に1枚はリリースしていたように思う。

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2007年07月23日

魔法の木管

2ヶ月ぶりに心身のトリートメントをしてきた。溜まった垢を削ぎ落とす心地よさと「魂」のいわば洗濯。東京という都会に住んでいると無意識のうちにいろいろなものを拾ってしまいいま一つ調子の上がらない日も多いからメンテナンスは必要不可欠である。
先日も書いたと思うが、「魂を調律する」音楽というものがある。ほとんどクラシック音楽に限られているというのがミソ。中でも筆頭はモーツァルトらしい。やはりというか、何というか。

ちょうど今完全映画化された「魔笛」が上映されている。このオペラの筋は第1幕と第2幕の善玉と悪玉が入れ替わり、支離滅裂な台本を持つということで解釈が厄介なのだが、僕が思うに決して「支離滅裂」ではなく、むしろ非常に意味深い筋書きを持つ人類史上屈指の名作といっても言い過ぎではない。果たして、ケネス・ブラナーという監督がどのようにメスを入れているのか見ものである。(まだ映画を見ていないので言及は避けておく)
http://mateki.jp/

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2007年07月22日

何とも不思議な・・・

ある知人の招きで「人間力」というものについて90分ほど語った。
もの珍しいテーマらしく反応は上々。パーソナル・マーケティング的な見地から述べると、スペックとしての20年に及ぶキャリアは意外に立派なもののようだ。「石の上にも3年」とはよく言ったものである。

蒸し暑い夕暮れ時の帰路、ふと思い立ち散髪しようと原宿の行きつけの美容室に寄る。
少々さっぱりした後、表参道を歩いていて頭の中で音楽が鳴り出した。

どういうわけかドメニコ・スカルラッティのソナタホ長調L.430。この曲は何十年も前にホロヴィッツの演奏で聴いて以来、僕にとっては妙に懐かしさを覚える「夏向き」の楽曲なのである。彼のソナタはほとんどが二部形式による5分以内の単一楽章で構成されているのが特長。この短い中に、「激しいリズム」、「華やかな和声」、「両手を交叉させる奏法」など、バロック時代にも関わらず、後のピアノの出現を予知していたかのような斬新な技法を用いている。

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アレグロ・コン・ブリオ~「愛」+「勇気」=「ワンネス」:2007年07月アーカイブ
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2007年07月31日

浄化と調律

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2007年07月30日

ユニークな貴方

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2007年07月29日

神宿る音楽

334.jpgマーラーの音楽はとても「人間的」である。どの楽曲も「死」の恐怖との闘いがモチーフになっている。あまりに人間臭いゆえ、若い頃はのめり込んで聴くことも多々あったが、最近は食傷気味で滅多にCDトレーに乗っけることはなくなってしまった。
一方、マーラーの師匠で音楽史上では同じ部類で括られてしまう作曲家にアントン・ブルックナーがいる。尤も、似ている部分といえば長大な交響曲を一生懸けて書いたということぐらいで、その内容といえば全く別格の域にあり、芸術的には圧倒的にブルックナーに軍配が上がると僕は確信している。

ブルックナー指揮者といわれる存在は古今東西多数いるが、日本人としてこの時代に生まれ育ったという意味で幸せなのは、朝比奈隆という最高のブルックナー指揮者と同時代を過ごせたということに尽きるかもしれない。2001年の年末に惜しくも亡くなってしまった朝比奈だが、晩年の生演奏は何十回聴いたことだろうか・・・。

印象に残る演奏は数多いが、中で忘れられないのはやはり最後の東京公演であろうか。曲目はブルックナーの交響曲第8番。年を重ねるたび一般的な指揮者の例とは相反してテンポが速くなっていったことが特長である。

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憧憬

41FpxrHXovL._AA240_jpg.jpgルキノ・ヴィスコンティ監督の「ヴェニスに死す」はトーマス・マンの同名小説を原作とした傑作映画である。もう30年近く前になるが、初めて劇場で観たときは鳥肌が立つほど感動したものである。僕自身は決してゲイ、ホモではないのだが「人間が人間に憧れる」、それも、たとえ同性だとしても「心の底から震えるほど人を好き」になるということはあっていいことだと思う。
そして、何よりも僕の心を捉えたのはヴィスコンティの音楽の使い方。エッシェンバッハ博士がタッジオ少年を陰から見つめるたびに湧き起こる「愛」とも「恋」ともつかない感情を見事に表現し、その映像にかぶさるように流れる音楽。それが、グスタフ・マーラーのアダージェットだったのである。

マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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2007年07月27日

悠々

116.jpg明日はキャリア・カウンセラーの資格試験日。試験の直前というものはジタバタしても始まらない。悠々と構えて本番に臨めばいいのである。とはいうものの、馬鹿にならない受験料や今後のことを考えると一発合格をしなきゃという思いが強くなり、ついついテキストを何度も繰りながら焦りばかりが大きくなっていくのを感じる。

音楽の世界でも評価されるとなると途端に自分の実力を発揮できない人々がいる。あるいは、コンクールで「とにかく入賞を」という意識からあまりに「優等生的」な演奏を披露するピアニストもいれば、あくまで自分の世界を貫き、とても個性的な演奏を繰り広げる芸術家もいる。精神力、つまり根の図太さによってかなりの部分が左右されてしまうのである。

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僕も3度ほど来日公演を聴いているが、ある意味「奇妙奇天烈」といってもいいほど特異な解釈の演奏。とても普段CDなどで聴いて慣れ親しんだ楽曲とは思えないほどどの曲も彼の手にかかれば全く別の知らない曲に料理されてしまうのでびっくりする。だから、逆に、どんな演奏をしてくれるのかが楽しみでコンサートに通ったりもするのだが。

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2007年07月26日

温故知新

07102810.jpg今までウィーンという街を訪れたのは何回あっただろうか?4回?5回?いずれにせよ、最後に訪問したのは1997年の夏。その年は、ザルツブルク音楽祭にも出掛け、プラハやブダペストを周遊し、とても楽しい夏休みを過ごしたことを思い出す。
ところで、僕が知っているウィーンの街は夏真っ盛りの時期ばかり。ゆえに、7月も後半になるとなぜかウィーンの記憶が蘇り、ウィーンにまつわる曲を聴きたくなる。

20世紀の前半を代表する指揮者であるブルーノ・ワルター。ナチスの台頭後ユダヤ人である彼はアメリカに亡命を余儀なくされたのだが、戦前はウィーン・フィルと良好な関係を築いており、残されている当時の音源はクラシック音楽愛好家にとって喉の渇きを癒す「粋な」音盤として名高い。様々なレーベルからSP復刻版が出ているが、このあたりはそれぞれのプロデューサーの趣味や復刻するSP盤自体の状態という問題が絡むので善し悪しの判断は僕には難しい。

数年前「クラシック・プレス」という雑誌があったのだが、その雑誌の12号に付録として「ブルーノ・ワルター」に捧げるというCDがついていた。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」やマーラーの「アダージェット」は有名な録音なのだが、これまでCD化されていないワーグナーの「ファウスト」序曲(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)やシューマンの「マンフレッド」序曲(ベルリン国立歌劇場管弦楽団)が収録されていることが特長だ。とても70年も前の録音とは思えない、今の時代に聴いてもとても感動的で瑞々しい音が鳴り響く。

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2007年07月25日

匂い、音

519oJsqFyIL._AA240_jpg.jpg「匂い」や「音」というのはとても不思議なもので、過去の様々な体験を瞬時に思い出させてくれる。新宿という都心に住んでいても場所によっては懐かしい「虫の音」が聞こえてくる。25年近く東京に住んでいて、長い間聞いていなかった「虫の鳴き声」。昨晩、開け放った窓外から突如虫の音が聞こえたとき子供の頃の田舎の生活をふと思い出した。

音楽の原体験も同じようなものなのだろう。クラシック音楽を聴き始めて間もない頃、つまりまだまだ右も左も知らなかった時分、FM放送が専らの音源であった当時いわゆるエアチェックに日々勤しみ、来る日も来る日も音楽漬けの毎日を過ごしていた。
その頃初めて聴いた音の記憶はその楽曲に対する模範演奏にどうしてもなってしまいがちで、世に名盤といわれる音盤が数多ある中、自分の記憶に合致する演奏をついつい追ってしまうのはいたしかたないことなのかもしれない。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595
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サー・ゲオルグ・ショルティ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

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2007年07月24日

気持ちイイ!

若い頃、クラシック音楽を高尚な別格の音楽だと勘違いし、その他のジャンルを否定していた時期があった。18歳の頃ビートルズに出逢いロックの世界に目覚めた後も邦楽に関してだけは偏見の目で見ていた時期が長かった。山下達郎にかぶれ必死でその「良さ」をアピールしている友人を馬鹿にしながら、僕は相変わらずフルトヴェングラーがどうの、バックハウスがどうのとのたまわっていた。
自分自身の音楽に対する「器」が広がったのはもう少し後のこと。仕事をするようになっていつしか達郎の音楽世界に感化され、気がつくと彼の音源を追っかけている自分がいることに気づくのに時間はかからなかった。

そろそろ梅雨明けの季節。そして真夏の到来。夏といえば山下達郎である。僕にとって達郎デビューは「メロディーズ」(1983年)というアルバムであった。今でこそクリスマスの定番ソングになっている「クリスマス・イブ」を含む全10曲の傑作アルバムである。このアルバムである意味一気にメジャーにのしあがっていくのだが、25年近くを経た今聴いてもとても新鮮。最近は何年も新作を発表しない彼だが、この頃はまだまだ少なくとも2年に1枚はリリースしていたように思う。

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魔法の木管

2ヶ月ぶりに心身のトリートメントをしてきた。溜まった垢を削ぎ落とす心地よさと「魂」のいわば洗濯。東京という都会に住んでいると無意識のうちにいろいろなものを拾ってしまいいま一つ調子の上がらない日も多いからメンテナンスは必要不可欠である。
先日も書いたと思うが、「魂を調律する」音楽というものがある。ほとんどクラシック音楽に限られているというのがミソ。中でも筆頭はモーツァルトらしい。やはりというか、何というか。

ちょうど今完全映画化された「魔笛」が上映されている。このオペラの筋は第1幕と第2幕の善玉と悪玉が入れ替わり、支離滅裂な台本を持つということで解釈が厄介なのだが、僕が思うに決して「支離滅裂」ではなく、むしろ非常に意味深い筋書きを持つ人類史上屈指の名作といっても言い過ぎではない。果たして、ケネス・ブラナーという監督がどのようにメスを入れているのか見ものである。(まだ映画を見ていないので言及は避けておく)
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何とも不思議な・・・

ある知人の招きで「人間力」というものについて90分ほど語った。
もの珍しいテーマらしく反応は上々。パーソナル・マーケティング的な見地から述べると、スペックとしての20年に及ぶキャリアは意外に立派なもののようだ。「石の上にも3年」とはよく言ったものである。

蒸し暑い夕暮れ時の帰路、ふと思い立ち散髪しようと原宿の行きつけの美容室に寄る。
少々さっぱりした後、表参道を歩いていて頭の中で音楽が鳴り出した。

どういうわけかドメニコ・スカルラッティのソナタホ長調L.430。この曲は何十年も前にホロヴィッツの演奏で聴いて以来、僕にとっては妙に懐かしさを覚える「夏向き」の楽曲なのである。彼のソナタはほとんどが二部形式による5分以内の単一楽章で構成されているのが特長。この短い中に、「激しいリズム」、「華やかな和声」、「両手を交叉させる奏法」など、バロック時代にも関わらず、後のピアノの出現を予知していたかのような斬新な技法を用いている。

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2007年07月21日

白鳥の歌

いよいよ試験まで残り1週間に迫った。何十年も前の記憶を辿り、どのように勉強したか、どのようにハードルを乗り越えたのかを思い出しながら勉強に勤しんでいる。尤も、大学の受験勉強に比べればその難易度たるや大したことではないので、ベストを尽くしてやりきろうと考えてはいるのだが。
しかし、脳みそが年をとったことは痛感する。文字をそのまま記憶することが厳しくなっている、などと考えながらふと気づいた。

例えば、経験の少ない10代の頃の勉強の仕方はとにかく一言一句「丸暗記」。ゆえに、試験が無事済んだ途端にその記憶はどんどん風化していく。一方、40代になった今はどうかというと、「経験」に裏打ちされた「覚え方」ができるというのが逆に強みなのである。だから、一概に年をとって記憶力が弱っていると嘆くのは早計かもしれない。

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2007年07月20日

偶然という名の必然

19848d23.jpgバッハの音楽は心を落ち着ける作用がある。「魂を調律」する音楽の筆頭はJ.S.バッハの創作した音楽だろう。1000曲以上に及ぶ楽曲から1曲を選ぶのは至難の技。だから、あえて選ぶ必要はないのかもしれない。その時の気分や状態によって気に入ったバッハの音楽を聴いてみよう。かしこまって聴く必要はない。「ながら」でいい。バッハに限っては。

午前中は勉強をしながら、「フルート・ソナタ全集」を聴く。
午後、溜池山王で所用があったので、久しぶりにスーツに身を通しお出かけ。1時間ばかりで打ち合わせを済まし、少々疲れたので雑誌を読みながらスターバックスでコーヒーでも、と思い、まずはアークヒルズの書店に入る。

ところが・・・・、ない!

そう、「財布」がないことに気づく・・・。しかも、パスモも残額40円・・・。このままじゃ帰ることもできないので、どうしようかと思案した挙句、立ち止まっててもしょうがないのでとりあえず家の方角に向かって歩くことにした。誰かに会うことを祈りつつ。そして、赤坂近辺で働いている人に電話を掛けつつ。赤坂見附を過ぎ青山一丁目にさしかかった時(この時点で既に歩き出して1時間近くは経過)、電話の返信がやっとあった。しかも、彼の事務所の最寄り駅は青山一丁目。

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2007年07月19日

美しい・・・

c7fb0ceb.jpg夏はビーチ・ボーイズの季節である。そして、ビーチ・ボーイズといえば「海」というのが定番だ。でも、梅雨明け前のじめじめした空気の中、しかも「海」とはかけ離れた都心の一室で聴くのはちょっと場違い、というよりあまり気分が乗らないかも・・・。
デビューから数年、売れっ子バンドとして東奔西走し、ある意味レコード会社の画策により「サーフィン・ミュージック」の申し子的存在として60年代のポップス市場に君臨した彼ら。しかし、無理な活動がたたり、音楽的バックボーンであったブライアン・ウィルソンが精神に破綻を来し、グループから脱落していく。そのブライアンが1965年、たった一人で(他のメンバーはツアーに出ており、帰国後コーラスなどをオーバーダビングしアルバムが完成したらしい)スタジオに篭り創出した傑作アルバムがこれである。

The Beach Boys:Pet Sounds
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2007年07月18日

不倫愛

ad004582.jpg「トリスタンとイゾルデ」。性愛を表現したワーグナー畢生の名作である。
実はこの楽劇の作曲背景には彼の狂おしいまでの「不倫愛」が潜んでいるということだ。当時、ワーグナーはパトロンであった豪商オットー・ヴェーデンドンクの妻マティルデに熱を上げていた(彼女に対する想いを託し「ヴェーゼンドンクの5つの歌」という楽曲が作曲されたほどだ)。この2人の関係を疑い、妻のミンナはマティルデを捻じ込み、挙句ワーグナーはヴェーゼンドンク家の出入りを禁じられた。その直後に作曲された名曲。

とにかく前奏曲の頭から、終幕の「イゾルデの愛の死」まで尽きることなく「エロス」を感じさせる音楽の連続。堪りません・・・。

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管弦楽団
コヴェントガーデン王立歌劇場合唱団
ルートヴィヒ・ズートハウス、キルステン・フラグスタート、ヨーゼフ・グラインドル、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウほか
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1887795

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2007年07月17日

最期の輝き

2237f39a.jpgヴィルヘルム・バックハウスという往年の名ピアニストがいる。
若い頃、「鍵盤の獅子王」と称されるほど激しい演奏をしていたらしいが、昨今一般的によく聴かれる音源は晩年のもので、どちらかというと堅牢で骨太なイメージを喚起する。ベートーヴェンやブラームスドイツ古典音楽にはぴったりの演奏スタイルである。
僕が彼の演奏を始めて知ったのは確か1980年、モーツァルトのソナタ集というLPを通してだったと記憶している。バックハウス特有のモーツァルトらしからぬゴツゴツした男性的な演奏なのだが、繰り返し聴いたお陰でモーツァルトのソナタといえば彼の演奏が耳からこびりついて離れないほどになってしまっている。

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2007年07月16日

4ec2f25e.jpg音楽的には4声が最もバランスがとれ心地よい響きを生むということである。
クラシック音楽でいえば、六重奏でも八重奏でも五重奏でもなく弦楽四重奏曲という形体が最もポピュラーになっているのはそういうことからなのかもしれない。
ポピュラーやロックの世界においても、4人の名グループが多い。ビートルズ然り、レッド・ツェッペリン然り、ジャズではジョン・コルトレーン・カルテット然り、MJQ然りである。
今月はブラームスをよく聴く。本当に久しぶりだ。ブラームスといえば秋の夜長に聴くというのが定番だが、真夏の鬱陶しい日々にもうってつけの音楽である。じめじめした時にあえてじめじめした楽曲を聴くことで逆に「浄化」できるのである。

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2007年07月15日

失恋の音楽

5736d3d3.jpg台風一過。今日もブラームス。
ブラームスというとクララ・シューマンとの恋愛関係が取り沙汰されることが多いが、今日は青年期の恋についてちょっと書いてみよう。

ブラームスがまだ25歳の頃、アガーテ・ジーボルトという女性と知り合い、恋に落ちたという。婚約までした仲であった。しかしながら、どういうわけか一方的にこの婚約は破棄され、若きブラームスは失意のどん底に落ちた。
その最中、失恋の悲しみを払拭するかのごとく生まれたのがかの名曲「弦楽六重奏曲」であった。ルイ・マル監督の「恋人たち」という映画に使われたのはこの曲の第2楽章である。

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2007年07月14日

愛の孤独

8e8feef5.jpg今月末の「古典音楽講座」のテーマはブラームス。
大学生の頃までは、ブラームスの音楽は正直あまり好きになれなかった。暗いというかイジイジしているというか、男性的な音楽なのだが、その中に女々しさを感じていたのである。確かに彼の成育歴、恋愛遍歴、人間性などを紐解いてみると、人好きのする「楽しい」人ではなかったようだ。人に会えば一言多かったり、人を平気で傷つけることを言ってしまったり、本当に「愛」というものを知らないんじゃないかという錯覚さえ起こしてしまうほどの人物だったらしい。

しかしながら、27歳を過ぎたあたりから突然ブラームスの真髄が理解できるようになった。というか昼も夜も暇な時はブラームスばかり聴いていたという時期があった。決して「愛」がない作曲家ではない、ということが何となくわかったからだと思う。多分ある程度の経験を積む前には「わかりにくい」作曲家なのだろう。

いつしかその熱も覚め、ここ数年はあまり意識して聴いてこなかったのだが、必要に迫られいくつか取り出して聴いてみた。

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2007年07月13日

楽しむこと

f4d4f45f.jpg人と人とが何かを共にやっていくというのは大変に難しいことのようだ。考え方やビジョンの相違、感性・嗜好の相違、など理由は様々である。友人としてならうまくいっていた関係がいざビジネスとなると少しずつ関係に歪が生じ、軋み始めることがままある。
とにかく「コトを起こす」時は「ピン」であることが重要なのかもしれない。

ロック音楽の世界も同様で、ビートルズにしろ、ストーンズにしろ、数多ある実力派バンドで仲違いなく順風満帆に継続しているグループがかつてあったろうか?一人ひとりの力量や才能が優れていれば優れているほど、それぞれの主張がそれなりの力を帯び、それが激しくぶつかり合う。結果、メンバーの脱退やバンドそのものの解散に繋がることになる。
しかし、そうはいっても個性派の名手が揃っていればパズルがピタッとはまった時には途轍もない名演、名ステージを残すことになるからこれまた不思議なものである。

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2007年07月12日

できることをやろう!

1d445c91.jpg音楽家というのは個性豊かな人たちが多い。
例えば、年季が入るにつれ演奏曲目を絞り込み、レパートリーが極端に狭くなるアーティストがいる。例えば、朝比奈隆は晩年はほぼブルックナーとブラームス、ベートーヴェンだけを振り続けた。アルゲリッチもソロをやらず、デュオとかコンチェルトに徹している。そういった天才たちの中でも特別にエキセントリックなのがカルロス・クライバー。その長い音楽家生活と途轍もない人気に比べその音盤の少なさは異常なほど。さらには80年代後半以降ほとんど舞台に上がらず、生きる化石と化していた。

その数少ないステージで振ったレパートリーというと、
①ベートーヴェン:交響曲第4番&第7番
②モーツァルト:「リンツ」交響曲&ブラームス:交響曲第2番
③モーツァルト:交響曲第33番&ブラームス:交響曲第4番
以上、ほぼこのプログラムだけをやり続けたのである。

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2007年07月11日

スカッ!

1455caab.jpgどうも鬱陶しい日が続く。おかげで「気分」もすぐれない。
こういう時はスカッとする音楽でも聴いて、溜まってるものを発散するのがいいんだろうな。

バルトーク:2台のピアノと打楽器のためのソナタSz110
マルタ・アルゲリッチ、ネルソン・フレイレ(ピアノ)
ペーター・ザードロ、エドガー・ガッジーズ(打楽器)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF-2%E5%8F%B0%E3%81%AE%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%81%A8%E6%89%93%E6%A5%BD%E5%99%A8%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF-Sz110-%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%81-%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%BF/dp/B00005FJ95

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2007年07月10日

Live in Japan

4583ce95.jpg大学4年の悩める就職活動生が訪ねて来た。
3時間ほど「キャリア」や「就職」について語る。
どこを目指すのか?
自分が好きなことは何なのか?
自分のアピールポイントは何なのか?
結局のところ、人生っていうのは「ベクトル」が最も重要である。何をしたいのか?どうなりたいのか?を明確にすることだ。

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2007年07月09日

宇宙の音色

9440aa10.jpgチェロという楽器の音色は人間の声の周波数に最も近いらしい。確かにチェロを聴いていると心地よいその響きがふと眠りを誘い、何やら瞑想状態にもっていかれるということがよくある。
そのチェロのための稀代の名曲が20世紀になりあるチェリストにより復活蘇演された。作曲家の存命当時は顧みられることなく、200年近くの時を経、パブロ・カザルスという13歳の少年によって19世紀末に発見されたヨハン・セバスティアン・バッハの大傑作「無伴奏チェロ組曲」がそれである。全6曲、宇宙を髣髴とさせるチェロ一艇のための楽曲である。

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2007年07月08日

快感・・・

5280c2a1.jpg朝6時に起床するつもりが、8時になってしまった。生活のリズムを変えるのは結構大変なことである。そもそも人間の身体の機能は日の出とともに目を覚まし、日の入りとともに眠りに就くようにできている。ところが、ここ100年ほどの間、文明の発達とともに24時間いつでもどこでも周りを明るくし、人間が普通に活動できる状況が簡単に作れるようになった。ひょっとすると昔は夜更かしや朝寝坊なんて言葉はなかったのかもしれない。

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2007年07月07日

やりたいことをやろう!

1afa178d.jpg日下公人氏はいくつかの著書で「やりたいことをやろう!」ということを書いている。
なるほど、ライフ・スパンやキャリアという観点から見ても最終的な結論はそこに落ち着くのだろう。というか、人間として当たり前のことなのだが。
しかし、今の世の中で本当に「やりたいこと」を追求している人々はどれくらいいるのだろうか?昼も夜もあくせく働き、「人生ってこんなもんだろう」と生活している人がほとんどなんじゃないかな・・・。

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2007年07月06日

アセンション

4c50f666.jpg昨日はTOTOについて書いた。今日はボストン。
1976年にデビューして以来、彼らのリリースしたアルバムはたったの5枚。しかし、発表する度に話題を呼び、根強いファンを持つアメリカ・イースト・コーストの伝説バンドである。
ファースト・アルバムは世界中で売れに売れ、一躍脚光を浴びた彼らはレコード会社との契約ですぐさま2枚目を発表せざるを得ない状況におかれた。ところが、もともとリーダーのトム・ショルツは、何年も何ヶ月もスタジオに篭り1曲を仕上げるという職人肌で寡作な人。商業ベースに納まるはずもなく、以降レコード会社の言いなりになることはなく裁判闘争まで引き起こすことになる。

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2007年07月05日

音のメッセージ

0d93421a.jpg最近の紙ジャケブームに乗っかり、いつだったかTOTOのアルバムをまとめて買った。
まとめてとはいえ購入したのは6枚目まで。要は、そこまではきちっとオン・タイムで追っかけて一応聴いていたということである。
僕の高校生時代(1979〜1981)は彼らのデビュー直後と重なっており、ちょうどクラスではアルバムが発表されるたびに話題になったものだ。しかし、当時クラシック音楽一辺倒だった僕は基本的にロックというものを馬鹿にしていた。
ロック音楽に目覚めるのは大学に入学した直後、ビートルズを知ってからのこと。以降、ロックは様々聴いた。もちろんTOTOもしっかり聴いた。

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2007年07月04日

2台のピアノ

a2da8945.jpgブラームスはロマンティストである。
子供の頃、作曲者が誰かなど全く知らず「ハンガリー舞曲第5番」を好きで聴いていた。大人になるにつれ趣味で古典音楽を聴くようになり、当初はモーツァルトやショパンに夢中になっていたっけ・・・。そのうち作曲家よりも指揮者やピアニストなど演奏する側に興味を持つようになり、高校生の頃は相当フルトヴェングラーにかぶれていた。どんな曲でもフルトヴェングラーが一番で、彼に敵う指揮者はいないと確信していた。

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2007年07月03日

アメリカン・ドリーム

3f7fff63.jpg紙ジャケCDが流行っている。既に持っている音盤でもついつい衝動買いしたくなるほど精巧に作られているのが特長だ。特に日本版はそうである。

昨年だったか、イーグルスの紙ジャケ・シリーズが発売されたのを期に「ファースト」から「ロング・ラン」までを購入した。

今日はその中からセカンド・アルバム「ならず者」を取り出して聴く。
もともとジャクソン・ブラウンのバック・バンドだった彼らの創り出す音は古き良きアメリカをモチーフにカントリーっぽい味を付け足したいわば「アメリカン・カントリー・ロック」。

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2007年07月02日

お洒落な紳士

f521e2cc.jpg鬱陶しい日が続く。
梅雨時の蒸し暑い日にはどういう音楽を聴こうか・・・。

おもむろに取りだした音盤は、
シベリウスの「ヴァイオリンとピアノのための作品集第1巻」と
ハイドシェックの「ワルトシュタイン・ソナタ」

シベリウスの楽曲は透明感に溢れるキーンした静謐さを持つ音楽。
一方のベートーヴェン「ワルトシュタイン」はいかにも男性的なある意味「暑苦しい」音楽。普通ならシベリウスだろうが、暑い日に熱いお茶をぐいっと飲むかの如くあえてベートーヴェンの「傑作の森」からの楽曲を選択する。

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2007年07月01日

奇跡のクライバー

579116d6.jpg30年近く真面目にクラシック音楽を追求してきたが、ドヴォルザークに真剣に取り組もうと思ったことは未だかつてなかった。確かに有名といわれている曲はほとんど聴いているし知ってもいる。ただし「真面目」に聴いていないのである。よって、多少馬鹿にしていた感は否めない。
先日、本講座でドヴォルザークの「新世界」交響曲をとりあげた。「宇宿允人の世界」というコンサートを聴くため事前レクチャーを講座として開いたのである。必要に迫られ、久しぶりに「新世界」を数種類、ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲、第8交響曲、スラブ舞曲などを聴き込んだ。

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