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2008年12月06日

星とたんぽぽとマズルカ

chopin_argerich_mazurkas.jpg第21回「早わかりクラシック音楽講座」終了。今回も、アマチュア・ピアニストの方を初め、Webを見て申し込まれてきた方など、初めて参加の方が多く、とても刺激的で楽しい会になった。例によって詳細はまた後日ホームページにUPする予定だが、ショパンという音楽家の奥深さと、人間誰しも独りで生きているのではなく、誰かの力を得ながら生き永らえているのだということがしみじみと実感させられた3時間であった。わずか39年という短い生涯を駆け抜けていったショパンも、ひょっとするとサンドとの別れがもう少し先延ばしになっていたらばあと数年は長生きし、数多くの名作を残していたのかもしれない。

講座終了後は、ビール片手に手作り菜食料理を皆で楽しむ。メニューは、ベジしゃけの太巻き、ベジ・ラザニア、グリーン・サラダ、車麩のかき揚げ・・・。好評でした。

ところで、今日も講座の中で金子みすゞの童謡を採り上げた。どうもショパン-特に後期の作品を聴くと、僕には金子みすゞの作品がついつい思い出される。当然二人に関連性は全くない。しいていうなら二人とも夭折の天才創造家であったことくらい。それでも彼女の詩を読んでいるとショパンの音楽がぴったり寄り添うように相応しいし、ショパンの音楽を耳にすると金子の詩を思い出すのである。不思議なものだ・・・。

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2008年12月05日

ショパンとサンド

Chopin_francois_mazurkas.jpgここ数日、ショパンに浸っている。もともとクラシック音楽の世界に足を踏み入れたきっかけがショパンの音楽であったことは前にも書いた。いっとき寝ても覚めてもこのピアノの詩人といわれる芸術家のことが頭から離れず、まさに恋をしていたといっても言い過ぎではない状態にあった。しかしながら、そういう時期もとうに過ぎ去り、ここ十数年は年に何度CDプレーヤーに音盤を乗せるかというくらい真面目に耳を傾けることはなくなっていた。
2年前から始めた「早わかりクラシック音楽講座」のお陰で、思いがけなく(それはショパンに限らず)作曲家の生涯や時代背景を再び勉強することになり、若い頃には感じられなかった、あるいは見えなかった彼らの人間性、大袈裟に言えば真実のようなものが少しではあるが見えるようになり、音楽を聴く楽しみの幅が随分拡がったように思う。「人間死ぬまで常に勉強」だとはよく言うが、それも毎月のように楽しみにいらしていただける方々がいらっしゃるからであり、そう考えると「人のために働く」ということは「人が成長する」上で最も重要な要素なんだということを改めて実感する。

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2008年12月04日

ファジル・サイの「展覧会」!

mussorgsky_pogorelich.jpg数年前「春の祭典」の独り多重録音で話題をさらったファジル・サイ。この音盤は何回か聴き、確かに「面白い」企画だと感心させられたものの、スタジオでの編集作業を繰り返しての作り物という弱点が拭えず(当然実際には演奏不可能なものだし)、決して後世に残り得る名盤とは思えなかった(結局、棚の奥に埃を被っている状態)。先日、雅之さんからお借りしたサイとパトリツィア・コパチンスカヤのスーパー・デュオによる「クロイツェル・ソナタ」ほかを聴いてみて、これまた個性的な面白い演奏だと感心させられたし、ことに雅之さんがオススメされていたラヴェルのソナタなどは本当にワクワクするような感動的な演奏だった。とはいえ、彼の生演奏を聴いたことがない僕は、ファジル・サイというピアニストの力量が実際にどの程度のものなのか量りかね、大手を振って「凄い」と称賛できるだけの自信も確信も一方では持てなかったというのも事実である。

おそらく当代随一の才能を秘める彼のことだから、いずれにせよ一度じっくりと実演を聴いてみたいと思っていたところ、とうとうリサイタルに触れる機会が訪れた。

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2008年12月02日

金子みすゞにアファナシエフのショパン

chopin_nocturnes_afanassiev.jpgホメオパシーのコンサルテーションを受けてから3週間ほどが経過する。お腹の辺りに発疹が出たり、腰の辺りがかぶれたようになる。これが好転反応というものらしいのだが、特にお腹の方は痒くてたまらない(もちろん掻き毟らないよう努力しているが)。ホメオパシーとは関係なく、以前も同じような状態になったことがある。その時は我慢ならずひどく掻いたため赤く腫上がって大変なことになった。もともと薬はあまり好きではないから「自然治癒」をと思って放っておいたのだが、完治せず、結局副腎皮質ホルモン系の皮膚薬を塗ったらばあっという間に湿疹はひいた。それでも、数年後同じような状態に陥るのだから、「薬」とは結局は「対症療法」に過ぎないことがよくわかる。
宇宙も、地球も、人間も「バランス」と「調和」の中に生きている。そのバランスがどこかで崩れた時にある一点「何か問題」が生じるのである。ともかく焦らずじっくりと「治まる」のを待つのが良いのだろう。

金子みすゞ童謡集「わたしと小鳥とすずと」を読むと、彼女がまだまだ若い時分から「物事を全体で捉える」ことができ、「極めて鋭い感性に富んだ」優れた詩人であったことがよくわかる。

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2008年11月27日

「つながり」を意識すること

Albeniz_Iberia_Hamelin.jpg一気に冬到来という気候で、雪でも降るのではないかと思わせるほど外の空気は冷たい。雨は明日の明け方まで続くとのことだが、風邪等ひかぬよう注意したいところ。週末は名古屋でセミナーがあるし、来週も予定が結構入っているので病気になっている暇はない。その字の如く「病は気から」というが、身体を冷やさないようにしつつ、意識を外に向け(つまり気を吐き)、人が喜んでくれる姿を想像しながら生きていると絶対倒れることはない。セミナーを受講していただく際、僕は「ここにいる自分以外の方たちのために一生懸命やってください」と皆さんにお願いする。人は誰でも他人のために生きているようなもので、そのことに気づき、そういう生き方が自ずとできるようになることで「人間力」が大幅に向上するということを間近にたくさん見てきたものだから、必ず冒頭に申し上げるのである。
「世界は一つで、すべてつながっており、自分もその一部である」ということを全ての人が自覚、認識したら世の中は本当に良くなるだろうな・・・。

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2008年11月26日

モンポウを聴く

mompou_plays_mompou.jpg昨日も今日も快晴。「愛知とし子ピアノリサイタル」にご来場いただいた皆様にお礼のメールを送ったところ早速いくつも返事をいただいた。音楽はもちろん良かったのだが、それ以上に見事だったのが、借景のように雨に濡れそぼる庭園をバックに、ピアノの音色と連動するかのように風がたゆたい、鳥が舞い降りる光景がたまらなく魅力的だったという感想がことのほか多かった。本当にどういうわけか24日のリサイタル当日だけ雨模様になるとは、これこそまさに天の配剤というか、神様が与えてくれた演出というか、こんなに幸運なことはない。ともかく、大勢の方々にご来場いただき、喜んでいただけたのだとあらためて実感した。

時と共に消え往く運命である「音の芸術」は、時間と景色の移り変わりと交錯することで本当に劇的な印象を与えるもの。特に、東京都庭園美術館のように、通常のホールとは違ったシチュエーションでのリサイタルはまた別の感動を与えてくれるから価値がある。来年にはホールが老朽化のため一旦壊されるということだが、何だかもったいないように思う。

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2008年11月22日

ワインの楽しみ方講座、そしてコルトーのショパン!

chopin_waltzes_cortot.jpg府中のアビリティーズセンターで開催された「ワインの楽しみ方講座」に参加した。ワインの薀蓄に始まり、5種のワインのテイスティング、そして美味しいディナーをいただき、参加された方々と愉しく歓談し、あっという間の4時間半であった。途中、三野友子さんのライアー演奏(「主よ、人の望みの喜びよ」、「いつも何度でも~映画『千と千尋の神隠し』」)と愛知とし子のピアノ演奏(ショパンの嬰ハ短調ワルツと要望にお応えしてモーツァルトのトルコ行進曲)を交え、お酒をいただきながらほろ酔いで聴く音楽の素晴らしさと、音楽の持つ「癒し」、「人々を陽気にする」効果をあらためて実感した。
ところで、「ワインと健康」と題する講座の中で教えていただいたワインに関する知る人ぞ知るというマメ知識は大変興味深く、また参加させていただきたいと思った。とにかく面白い(それは、講師である伊東会長のお話のうまさに依るものだが)。
ちなみに、ワインは古来より通風治療の特効薬であったということに始まり、ワインのカクテルが強精剤になること、また「純粋理性批判」を著したエマニュエル・カントが80歳で死ぬ日までワインを飲まない日はなかったということなど、ワイン好きに限らずとも興味の尽きない話の数々はとても勉強になった。感謝です。

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2008年11月21日

ピリスのショパン!

chopin_pires.jpg「チベット体操!世田谷教室」が某タブロイド版夕刊紙の取材を受けるということで、男性実践者の一人としてコメントをいただきたいとお声が掛かった。昼には所用があったので、わずか1時間ほどだったが参加者の方々と交流し、チベット体操の効果(というか体験談)を少しばかりお話させていただいた。考えてみれば「チベット体操」なるものを始めてからかれこれ5年目に突入する。その間、一日たりとも休まず続けているのが自慢といえば自慢だが、確かに目に見えて効果が感じられるので、結果的には「辞められない」のである。1回1回自分の内なる声に耳を傾け、無心に身体を回転させ、深い呼吸を伴ったポーズをとる作業はもはやなければならない「習慣・日課」になっている。

以前雅之さんがコメントで書いておられたピリスのショパン後期楽曲集を聴いた。同じく輸入盤の発売が待ちきれず、我慢ならず手を出してしまったのだが、多少値が張るとはいえ解説書の装丁や内容は国内盤ならではのもので、これはこれで良しとする。
ところで、その内容。CD2枚に亘って収録された楽曲はその全てが「精神性」の高い、まさに晩年のショパンの心情や境地を体現した屈指の名演奏で、もうこれは山あり谷あり様々な人生経験を積んだ、ある程度年齢を経た演奏家でなければ表現できないだろうと思われる最強のショパン・アルバムだと独り心の中で感動して絶叫してしまった(笑)。
何となくCD2から聴き始めたのだが、特に、第1曲目の「幻想ポロネーズ」は(これはショパンの最高傑作の一つだと僕は考える)、例のカーネギーホールでのホロヴィッツの凄演とは全く違うノリと解釈で弾き切った女性ならではのたおやかな演奏で、もうのっけから卒倒しそうになったほどだ。それに、先日愛知とし子が多治見公演でも披露した「3つのワルツ作品64」。参った。圧倒的にピリスの勝ち(笑)・・・(あ、当たり前か・・・)。ゆったりとした余裕のあるテンポと息遣い。特に、嬰ハ短調はこうでなければならない。かのルービンシュタイン以上に愁いと哀しみが内面から滲み出るような演奏で、この曲のイチ押し推薦盤。これは必聴!

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2008年11月18日

前のめりの推進力

beethoven_brendel.jpg16日の多治見での「愛知とし子ピアノリサイタル」は250名以上ものお客様にご来場いただき、盛況のうち終了した。ピアニスト本人は諸々の点で反省はもちろんあるようなのだが、ミスタッチなどのトラブルが当然あってこそのライブなので、そういう細かいことは横に置いておくとして、純粋に一聴衆として客観的に判断してみてとても優れたコンサートであったと思う。あえて一つ付け加えるなら、少々「お話」が長すぎる印象を僕は持ったが、一般のお客様方にはあの「しゃべり」も好評だったようだから、プログラム全体として捉えると、やはり愛知とし子ならではの演奏会になったのだろう。

昨晩も録画ビデオをプレイバックしてみたのだが、思った以上に本当に良い。当日右手後方の位置で全曲をしっかり聴かせていただいたが、いつものように本人以上に緊張していたせいか、上の空で(笑)、細かい点の記憶が正直あまりない。特に、前半最後の「英雄ポロネーズ」あたりから演奏者の「苦悩」(笑)が手に取るようにわかり、居ても立ってもいられなかった。とはいえ、このポロネーズは(瑕は少々あったものの)コーダなどは後半最初の「テンペスト」同様、愛知とし子の持つ「前のめりの推進力」、「未来に向かっての意志力」を感じさせてくれるような演奏で、彼女の本領というのはまさに「前に向かって進む大いなる力」を表出する音楽で発揮されるものなのだということがあらためてわかったことが収穫であった(まぁ、裏返せば「せっかち」な性格という表現にもなるかもしれないが(笑)・・・)。僕はもともと重厚でゆっくりとしたテンポの演奏を好んで聴いてきたのだが、この頃はこういう「猛烈な動き」を伴ったキリッと締まった速目のテンポの演奏-そう、ムラヴィンスキーカルロス・クライバー、あるいはシューリヒトに代表されるような即物的だが個性豊かな演奏が断然好きになっている。
それに、ベートーヴェンやブラームス、あるいはシューマンというどちらかというと暗鬱とした内燃するような妖気を醸し出すドイツ物を中心に「推進力」のある演奏を心がければ、愛知とし子の立派なライフワークとして成り立つんじゃないかと勝手に期待した次第である。

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2008年11月08日

小助川亮子ピアノリサイタル

liszt_sonate_argerich.jpg知人のお招きにより東京オペラシティリサイタルホールで開催された「小助川亮子ピアノリサイタル」に出掛けた。観客の入りは6~7割といったところか・・・。しかも、「敬老の日」のイベントではないのかと勘違いさせるほど(笑)どういうわけか聴衆の大半がシルバー層。

シューマン:クライスレリアーナ作品16
休憩
ラヴェル:ソナチネ
リスト:ピアノ・ソナタロ短調
小助川亮子(ピアノ)
14:00開演 東京オペラシティリサイタルホール

さぞかしアルゲリッチが同じ内容でやったらば凄いことになるだろうと予想されるようなロマン派ヴィルトゥオーゾ的果敢なプログラム構成。終演後にホワイエで少しばかりお話させていただいたが、ライフワークとしてベートーヴェンを中心に活動されており、テクニック的なバランスを崩さないために、時折今日のようなプログラムを組むのだという。失礼だが、全く期待していなかった小助川氏の今日の演奏は、技術といい音楽の創り方といい思った以上に素敵で、特に後半の2曲、つまりラヴェルとリストはこの小さなホールでやるのは少々もったいないかなと思わせるほど息もつかせぬ凄演だったと思う。

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