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2008年11月05日

三島由紀夫の言葉

brahms_sanderling.jpg「人間一生ハ誠に纔(わずか)の事なり 好いた事をして暮らすべき也」
葉隠 三島由紀夫

先日、相方がある会合でいただいてきた三島直筆の複製にある言葉。彼の人間性までもが垣間見えるような達筆で記されたこの言葉に、芸術家であり右翼活動家でもあった三島由紀夫という人間の生き様が見事に表現されている。

ここのところ、セミナー中に繰り返しお話しすることは、どんなことでもいいから自分が「できること」を生業にするべきだということ。誰もが「やりたいこと」を探し、その「やりたいこと」が見つからず、迷いに迷う。知識や情報もなく、自分の方向性もママならない状態で、「やりたいこと」が見つからなくて当然なのだが、どうしてもそういう観点で自分探しをするよう人はアドバイスを受ける。未来が「今」の積み重ねであるとするなら、今できることを、ベストを尽くしてやり、世の中に貢献することを考えた方が賢明である。
それは取るに足らない趣味でも良い。「オタク」といわれる世界の話でも良い。どんなものでも10年も継続したことはその人自身の知識となり、力となり、必ずや他人を説得するだけの力を持つことになるのだから。要は、好きこそものの上手なれ、なのである。ともかく何でも良いので好きなことを続けましょう!

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2008年11月04日

キェルケゴール「不安の概念」

nielsen_jarvi.jpg先日も書いた「シンクロニシティ~未来をつくるリーダーシップ」(ジョセフ・ジャウォースキー著)には、いくつかハッとさせられる言葉が並ぶ。例えば、抜粋ではあるが、デンマークの哲学者セーレン・キェルケゴールの次の言葉。

「冒険することは不安を引き起こす。しかし、冒険しないことは自己を失うことだ。・・・そして最高の冒険は、自己を自覚することにほかならない。」

一体彼のどの著作の、どういうパートで言及されている文章なのか不明なので、前後の文脈を捉えずに語るのは難しいのだが、とても説得力がある。
先日のセミナーでも受講していただいた方にはお伝えしたのだが、人間関係から生じる諸問題の根源は、過剰な「我」、つまり過剰な自己防衛にその端を発していることが大半で、その根底には大なり小なり「不安」があるのではないか。そして、日々の生活の中で己を振り返り、自分の言動を反省することが大事なのだとつくづく思うのである。まさに「自分自身を認識、自覚」することが、解消できないまでも、「不安」を軽減する糸口になるのではないか。未読だが、キェルケゴールが「不安の概念」で考察していることは、概ねそういうことなんじゃないかと勝手に想像した(いつかは彼の代表的な著作をしっかりと読んで深く考えてみたいと思っている)。

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2008年11月03日

ブルックナーの交響曲第2番

bruckner_rozhdestvensky_2.jpg朝比奈隆指揮するブルックナーの第7交響曲(1980年10月の大阪フィル定期)に出逢って以来、敬虔なるブルックナー音楽の虜になり、30年近くの月日が流れる。クナッパーツブッシュやシューリヒトはもちろんのこと、マタチッチやヨッフム、ヴァントなどいわゆるブルックナー指揮者と呼ばれる音楽家の演奏はCDや実演など折に触れ聴き続けてきた。しかし、2001年に朝比奈先生が亡くなって以降、実演を聴く気になれずその機会をあえて逸している。あまりにも崇高で理想的な音楽だったゆえ、朝比奈のブルックナー以外受けつけないと思い込んでいる節もあるにはあるのだが、もうそろそろいいのではないかと最近思うようになった。どなたかこれは間違いないと太鼓判を押せる演奏会をご存じないでしょうか?もちろん、その日に名演奏が繰り広げられるか否かなどは「神のみぞ知る」ことなので、あくまで「このコンビはいけるはずだ!」という予想でいいのですが・・・。

もう10年近く前だと記憶するが、メロディアからロジェストヴェンスキー指揮ソビエト国立文化省交響楽団によるブルックナーの交響曲全集(しかも、各交響曲の全異稿まで収めた優れモノ。しかし今では廃盤になっている様子)がCDショップの棚に並んでいるのを見て、その中から幾つかをチョイスして購入した。当時全曲を買い損ねたので何とか再発してもらいたいものだ。

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2008年10月30日

ミュンシュのコンサートホール・レコーディング集

munch_concert_hall_recordings.jpg先日の滋賀短期大学での公開講座記録集のための原稿を作成しなければならず、やっと一息つけたのでその作業を始めた。レポートにして10枚程度、当日講演した内容をまとめるということなのだが、何をしゃべったのか細かいところまで思い出すのが意外に大変。
たった10日前の話しながら、ほとんどアドリブ的に話をしたものだから、レジュメを頼りに順番に書き出した。報告書という形で残るのだからどうせならきちっと良いものにしようと考えた。

何をするのであれ、どんな夢を見るのであれ、それを始めること。
大胆さには、驚くほどの創造力と、活力と、不思議な力がある。
(ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)

BGMに、アルバン・ベルク四重奏団によるドヴォルザークの弦楽四重奏曲作品105を何度も繰り返した後、ふと思い立ち、久しぶりにシャルル・ミュンシュのフランクに耳を傾ける。

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2008年10月24日

カルロス爆発!

beethoven_7_c_kleiber.jpg何と、カルロス・クライバー&バイエルン国立歌劇場の「ばらの騎士」(1973年7月13日)の正規Live盤がOrfeo D’orから発売された!映像は2種残っているものの、CD(それもハイブリッドSACD)でのリリースは初で、カルロス43歳時の今や伝説となっている極めつけの美演がとうとう最高音質で聴けるのだ。嬉しさ余り、自分へのご褒美(本日の研修が成功裡に終わったこと)の意味も兼ねて即購入した。
観客の圧倒的な拍手の後、登場するなり演奏を始めるところからもうカルロス・クライバーの「ばらの騎士」以外の何物でもない!かっこ良過ぎる・・・。
当然まだまだ聴き込んでいないので、この音盤についてはいずれ具体的に書くことにしよう。

日本青年館での2008年新入社員合同(半年振り返り)研修。「親和」のコミュニケーションの重要性、「共感力」、「自信」、「自他を受容」することなど、人間力の養成をテーマとして、体験実習を織り交ぜながら自論を語り、9:00から18:00過ぎまで32名の若者たちと共に過ごさせていただいた。皆前向きでとても素直。研修の始まった当初は多少の硬さがあったもののすぐに打ち解けて、一生懸命に取り組んでくれた。感謝。

ところで、先日の結婚式の際に知人からいただいた「号外」に次のフレーズが採り上げられており、思わず「やっぱり!」と膝を叩いてしまった。

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2008年10月16日

ホメオパシー、シベリウス

sibelius_3_segerstam.jpgホメオパシーについてここ数年勉強し、今後ホメオパスとして活動していこうと考えている友人にホメオパシー概念の大枠を教えてもらった。別件で来宅いただいた際に、お茶を飲みながら30分ほど語っただけなので、僕がホメオパシーのことをどれだけ理解したかあまり自信がないが、「病気など問題を引き起こすものはその問題を取り除ける性質を本来持っており」、「その問題を引き起こす物質と極めて近い物質を最小限まで薄めて(微小なエネルギー体にまで分解するということか・・・)処方することで症状を緩和させたり、治すことができる」というものらしい。しかも、驚きなのは一度処方するだけで、医者のように継続的に掛かりつける必要がないのだという。一旦細胞に記憶させることで自己治癒力が向上し、本来あるべきバランスに戻っていけるというわけだから人間のもつ潜在的なパワーというのはやっぱり大したものである。

久しぶりにセーゲルスタムのシベリウスを聴きたくなった。

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2008年10月07日

音楽とはコミュニケーションである

Schumann_celibidache.jpg「癒し」とは深いコミュニケーションに因を発する結果であるというようなことを昨日書いた。セミナーで多くの人と対峙してきた長年の経験から間違いないと確信を持ってはいるのだが、こと「(クラシック)音楽の癒し効果」に関してはどうなのだろうか?
演奏者と聴衆が会場(ホール)という一つの共有空間の中で心と心を通い合わせながら、互いに目に見えない気(エネルギー)を感じつつ、音を楽しむことが音楽鑑賞の醍醐味であり、それによって大きな感動が生まれ、結果的に双方にとっての「癒し」につながるのだと思うのだが、では、コンサート活動の一切を放棄したグレン・グールドの場合は一体どうなるのか?没後25年以上を経、いまだに彼のレコードは売れ続け、聴く者に「安心」を与えるという。彼の全録音を聴いたわけではないが、確かに天下の名盤と目される一連のバッハ演奏を聴く限り、そこには「感動」があるし、たとえ様々なピアニストの演奏を楽しんだとしても最終的に行き着くのはやっぱりグールド演奏だったりすることを考えると、彼の創造力は並大抵のものではないのだと思う。それほどに内容的にも技術的にも衝撃的で、常に新しい発見を与えてくれる奇跡的な演奏(音盤)なのだ。
とはいえ、これをもってグレン・グールドの演奏解釈を語ることはできても、音楽を通して彼とコミュニケーションしたことには決してならない。結局、音盤によってグレン・グールドの創り出した音楽の輪郭や解釈はつかめるものの、決して人間グールドとコミュニケーションしたことにならないことが「グールドを聴く」ことの弱点と言えば弱点だとここのところ僕は考えるのである。

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2008年10月05日

土の匂い

mahler_klemperer_lied_von_der_erde.jpg友人がBelly Danceを披露するというので、大崎のVirgin Caféで開催された「EARTH Chapter 1~大地の章」に顔を出してみた。ビール片手に、かなりビートの効いた音楽を聴きながらぼーっと考えたこと。
大地に根付いた土俗的な楽音は確かに人を「癒す」効果がありそうだが、本来はもっとプリミティブで、より激しく、そしてもっと開放的なリズムで、しかも自然の中で演った方がより効果的ではないか・・・。体調も決して思わしくなかったので、ダンスが終わって東京シャンズというバンドのライブが始まるや中座したが、残念ながら僕の心魂を揺るがすほどの感動は得られなかった(これから盛り上がるよというところだったかもしれないけど・・・)。

空海が著した「秘蔵宝鑰」の序に次のような言葉がある。

「生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、
死に死に死に死んで死の終わりに冥し。」

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2008年10月03日

環境が人を作る

bruckner_9_bernstein.jpgそれが企業であれ、家庭であれ、あるいは何であれ、組織のもつ雰囲気や風土というものが、そこに属する人間に多大な影響を与えるということは否定できない大きな事実である。その是非は問わないまでも、人は余程意識をしっかり持っても、長時間ともにする仲間や環境の影響をもろに受けてしまう。
人の脳は面白いもので、1度や2度のインプットではなかなか記憶することができないのだが、たとえそれが無意識下でのものだとしても、何度も反復することにより自然と「癖」になってしまうのだから怖いといえば怖い。
逆の見方をすれば、「石の上にも3年」という諺通り、長い間生活を共にすることで、癖や考え方、あるいは感じ方まで同じようになってしまうのだから人間の環境適応能力というのはある意味大したものだと思う。夫婦が似た者同志になるというのは致し方ないことなのだろう。

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2008年09月23日

愛の歌、喜びの賛歌

messiaen_turangalila_myungwhun.jpgとてもすっきりした爽やかな一日。今日は秋分の日(すなわちご先祖様を偲ぶ日)。政界、財界、どこもかしこもバタバタしているが、世の中の「気」は随分落ち着いたように感じる。要らないモノを捨てて、みんなもっと楽になればいいのに、とふと思う。

「レコード芸術」10月号をパラパラと捲っていて、そういえばオリヴィエ・メシアンが今年生誕100年なんだということに気づいた(ということは、カラヤンや朝比奈先生と同級生ということになる)。特集記事の中に、彼の3つの主要作品(すなわち「トゥランガリーラ交響曲」、「世の終わりのための四重奏曲」、そして「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」)についての論評が掲載されており、とても興味深く読ませてもらった。
ところで、メシアンについては音盤もそれなりに所有し、これまでもふと思い立っては聴いてきたものの、彼自身のこと、あるいや音楽やその作風については全くもって勉強不足で、ブログ上で語るだけの力量は残念ながら今の僕にはない。少なくとも敬虔なカトリック教徒であったメシアンの音楽に反映されているものは、間違いなくキリスト教精神であり、一般に好んで聴かれている作品のほとんどはその宗教的バックグラウンドを完璧に把握することなしに深層まで理解することはほとんど不可能に近い。

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